デビスカップ敗退。錦織の進化と日本チームに突きつけられた課題 (4ページ目)

  • 神仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 アンディ・マリーの兄であるジェイミーのようにダブルスのスペシャリストとして、ツアーで活躍する日本選手がいない現状では、日本チームが採る選択肢は限られる。植田監督はダブルスの強化も考えながら、現在採るべき方策を次のように語る。

「今のところ、4つのシングルス戦のうち3つ取ることを勝ちパターンとして、しっかり確立させないといけないと思っています。錦織とアンディ(・マリー)のレベルと、(他の日本選手とに)まだ大きな開きがあるのは事実ですので、その差を縮めていきたい。またトップ10プレーヤーとやったとき、プレッシャーをかけられるように、3日目のエース対決に大きく影響を与えられるところまでいかないといけない」

 日本代表最年少、20歳の西岡(124位)は若武者らしい上昇志向で、錦織の存在や日本チームの将来を語った。

「今の日本チームは錦織選手という存在が大きいのは事実。エース(錦織)があれだけ強いので頼っている部分はありますし、引っ張ってもらっている部分もある。経験も実力もトップの人が、チームにひとりいることがとても大事なことだと思います。(錦織選手がいる間に)みんながもっとレベルアップして、他のチームの2番手のようになれば、勝てる可能性がもっと上がり、もっと日本チームは上に行けるはず。これからなんじゃないかと思います」

 日本は9月にWG残留をかけてプレーオフ(入れ替え戦)を戦う。WGに留(とど)まるには、錦織の力が不可欠だろう。他の日本選手が錦織レベルまで、急に成長するのはもちろん簡単なことではないが、幸い日本代表は若く、伸びしろがある。デビスカップ日本代表全体の底上げに期待したい。

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