日本人ドライバーがF1頂点に立つ日は来るのか? 「ホンダとトヨタが協力し合うこともひとつの手」浅木泰昭が解説 (2ページ目)
【ホンダはPUの競争力が必須】
ホンダは今年からパートナーシップを組むアストンマーティンにも日本人ドライバーを送り込むことや、一緒にドライバーを育成することは当然考えているはず。ベテランのフェルナンド・アロンソ選手やランス・ストロール選手がチームを去る時がいずれ来るでしょうから、水面下で準備はしていると思います。
ただし、アストンマーティンと一緒に育成プログラムを運営できるかどうかは、ホンダのパワーユニット(PU)の出来次第です。もし第4期のマクラーレン・ホンダの時のように「ホンダのPUでは一緒にやってられない」となったら、パートナーシップを解消することになるかもしれません。
でもホンダが勝てるPUを作ることができれば、逆にチームのほうから「一緒にドライバーの育成をやろう」と声をかけてくると思います。角田選手は2019年からレッドブル・ジュニアチームに加入し、2021年には当時のアルファタウリ(現レーシングブルズ)からデビューしています。
角田選手の起用に関しては、レッドブル・グループのドライバー育成やラインナップを主導していたヘルムート・マルコさんが積極的に働きかけていた節がありました。当時のレッドブルとしては、勝てるPUをみすみす逃すわけにはいきません。ホンダをつなぎとめるために必死だったと思います。
とはいえ、ホンダ育成の角田選手や岩佐歩夢選手がレッドブルの育成プログラムに入るためには、F1でもしっかりと結果を残せるだけの実績をF2やF3などで示す必要がありました。レッドブルだって、そう甘くはありません。
アストンマーティンとホンダは現状では独占契約だと思いますので、今後、供給チームが増えれば日本人ドライバーが誕生する可能性は増えるかもしれません。ただ、それにはホンダ・レーシング(HRC)の交渉手腕が必要となってきますし、ホンダのPUに競争力がないと交渉どころではありません。メルセデスのPUのほうが圧倒的に性能がいいという状況では交渉自体が難しくなってくるでしょう。
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