【F1】角田裕毅はレッドブルに残れるか否か チームを納得させるための「あと3戦の猶予」が与えられた (2ページ目)
【9位になるチャンスを逃した】
「入るタイミングとピットストップのロスで大きく後退してしまいましたけど、自分のやったこと自体はよかったですし、レースペースとしてはレッドブルに昇格してから最もよかったのではないかと思います。タイヤを使いきるという点でも、今回は悪くなかったと思います。それが結果という形に表われなかったのは、すごく残念ですけどね」
これは戦略ミスではなく「チームプレーを角田にやらせる」というチームの判断であり、角田自身もそれを受け入れたのだから、そこにフラストレーションをぶつけるべきではないだろう。
しかしそうは言っても、角田自身のレースが犠牲になってしまったことは確かだ。
トラフィックに巻き込まれる前にピットインしていれば、エステバン・オコン(ハース)の前、9位でコースに戻ることができた。しかし、4位を獲得したオリバー・ベアマン(ハース)と同等のペースがあったオコンが、2ストップ作戦でフレッシュタイヤに履き替えた上位5台に簡単に抜かれて8位から19秒も離されてしまったことを考えると、角田が彼らと戦うことも現実的ではなかっただろう。
つまり、「チームプレー」で失ったのは9位になるチャンスであり、「ピットストップのミス」で失ったのは10位1点だった。
もちろんチームはそのことをきちんと理解し、予選でのフェルスタッペンとの僅差やレースペースの改善も事実ベースとして判断している。結果は大切だが、結果がすべてではなく、内容を評価している。
だからこそ、来季のシート決定もこの10月末ではなく、最終戦アブダビGP前の11月末に延期することを決めた。あと3戦、角田に「内容」と「結果」でチームを納得させるための猶予が与えられたのだ。
著者プロフィール
- 米家峰起 (よねや・みねおき)- F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。 
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