【F1】メルセデスAMGのジョージ・ラッセルが語る日本人エンジニアとの絆 王座奪還へ「自信はある」 (2ページ目)
「日本が大好き」と公言するジョージ・ラッセル ©AnnikaYanura
【リスペクトする日本文化】
2023年10月の日本GP前にはGP3時代から旧知のレーシングドライバー松下信治とともに両国国技館で大相撲秋場所を観戦したこともあった。
「相撲の力士たちの迫力には圧倒されたよ。当然ながらどの力士もとても大きな体格をしていたけど、あのスピードにはとてもショックを受けたんだ。僕は日本の文化も本当に大好きで、人々の礼儀正しさや誰もがお互いに敬意を持っている姿勢はとてもすばらしいと思うし、初めて日本を訪れた時には大きな気づきを与えてもらったよ」
相撲の後には焼肉を堪能していたが、鈴鹿では必ず訪れる場所があるという。
「今まで日本でいただいたなかで最も好きな食事のひとつが、鈴鹿サーキットの近くにあるとても小さな家族経営のレストラン。お客さんたちと一緒に僕らも座敷席に座ったんだ。(お店の人の)誰も英語が話せないんだけれど、みんな笑顔で楽しそうで、みんなの繋がりがすごく感じられるお店なんだ。もちろん料理は信じられないほどおいしかった。あれは僕にとってとても特別な経験だね。それ以来、毎年鈴鹿ではそのお店に通ってその家族に会うのを楽しみにしているんだ」
昨年の日本GPの際には、ファンゾーンで行なわれたトークショーの最中にF1公式オープニング映像で有名になった"ラッセルポーズ"をプリントしたシャツを着た4~5歳くらいの小さなファンを見つけ、ステージに呼び込んで本当にうれしそうにしていた。日本のファンからはそういうポジティブなエネルギーをもらえるのだと、ラッセルは語る。
「どのグランプリでも普通はレースが終わればファンはできるだけ早くサーキットを後にしようとするものだけど、日本のみんなはレースが終わってもできるだけ遅くまでその場に残って、チームが撤収作業をしている様子やレースのリプレイ映像が流されているのを見たりしていて、本当に特別だなと感じるよ。
それに僕にはとてもスペシャルな小さなファンがいるんだ。去年はトークショーのステージにも招待して一緒に上がってもらったんだ。僕にとっては本当に心温まる瞬間だった。彼のSNSのポストを見たことがある人もいるかもしれないけど、彼とお父さんの映像は全て見させてもらっていて、とても幸せな気持ちにさせてもらっているんだ。だから今年もまた彼らに会えるのを心から楽しみにしているよ」
鈴鹿と東京しか知らないラッセルだが、東京から名古屋への新幹線から見る富士山の美しさにも心を奪われ、いつか絶対に日本で山に登ってスキーをしてみたいと言う。
「これだけたくさん移動をしてきて学んだのは、旅を楽しむのが大切だということ。F1では本当にたくさんの素敵な場所を訪れることができる。以前は僕も1日24時間、365日レースのことばかり考えていたこともあった。それはいいところもあるけど、時にはレースから離れることも大切だということに気づいたんだ。またレースに戻った時にさらにパワーアップして力強く戦うことができるからね」
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