鈴鹿8耐スズキ「カーボンニュートラル」の挑戦 サステナブル燃料で8位の好結果、レース文化の火は消えない (3ページ目)
【スズキにとって新たな活動の布石となるか】
2022年に彼らがMotoGPから撤退した際には、これでスズキからレース文化の火が消えてしまうかにも見えた。だが、カーボンニュートラルチャレンジという新たなテーマで参戦した今回の8耐を好結果で終えたことは、新たな活動の布石を打つことにもつながったようだ。
レースが終わった直後の、チームスタッフや関係者が慌ただしく出入りするピットボックスには、そんな雰囲気が色濃く漂っているように感じられた。いつの時代もおそらくそんなふうにして、人はいろんな場所で新たな種を撒いていくのだろう。
陣頭指揮を執った佐原伸一氏 photo by Nishimura Akiraこの記事に関連する写真を見る
著者プロフィール
西村章 (にしむらあきら)
1964年、兵庫県生まれ。大阪大学卒業後、雑誌編集者を経て、1990年代から二輪ロードレースの取材を始め、2002年、MotoGPへ。主な著書に第17回小学館ノンフィクション大賞優秀賞、第22回ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞作『最後の王者MotoGPライダー・青山博一の軌跡』(小学館)、『再起せよ スズキMotoGPの一七五二日』(三栄)、『スポーツウォッシング なぜ〈勇気と感動〉は利用されるのか』 (集英社新書)などがある。
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