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F1角田裕毅「不得意なコースはないんで大丈夫」 まだ入賞がないマイアミGP、3度目の正直なるか (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【中国GPは負のスパイラルに陥ってしまった】

 角田はこう説明する。

「中国GPからここまでの間に、チームはかなり時間をかけてデータを分析して調査をしてくれたんですが、上海でそれまでと同じようなパフォーマンスを発揮できなかった原因は、まだ完全に究明できてはいません。

 でも、いくつか(問題が)見つかっていますし、自分としても改善できるところがあったと思います。要素はひとつだけではなくて、いくつかの要素が重なっての結果だということは確認しています」

 中国GPはスプリント週末という走行時間が限られるなかで、FP1がうまくいかなかったことで負のスパイラルに陥ってしまった。その反省点は自分自身にもあり、同じくスプリント週末のマイアミでは同じミスは犯さないと角田は言う。

「最初にうまくリズムを掴めないと負のスパイラルに入ってしまうので、今週も(中国GPと)同じ状況に陥りたくはないですし、どんなふうに(スプリントの)レース週末が流れるかリズムは掴めたので、それをさらにクオリティよくまとめていきたいなと思います」

 今の中団グループでは、0.1秒でポジションがいくつも違ってくる。それがコンマ数秒ともなれば、中団トップ争いから最下位争いまで落ちてしまう。それが中国GPの予選19位という結果だった。

 モノコックは開幕から交換していないため、チームメイトのダニエル・リカルドのようにそれが問題の原因とは考えていない。決勝でのマシン回収時にマーシャルが落下させてしまったことによる影響も、車体側・PU側ともに関係なかったことが確認できているという。

「気持ちをリセットして、マシンのことはエンジニアに任せて、僕はメンタル的にいつもどおりの状態で、マシンではなく自分自身のことに集中して戦えるようにできればと思っています。今週は間違いなく上海よりもいい仕事ができると自信を持っています」

 初開催の2022年は12位、2023年は11位。まだ入賞がないマイアミでの戦いだが、角田の自信に揺るぎはない。

「僕は、不得意なコースはないんで大丈夫です(笑)」

 気持ちをリセットし、伸び伸びと角田本来の走りで、上海の流れを払拭してもらいたい。

著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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