元ホンダF1山本雅史の2023総括 フェルスタッペンは「バケモノ」 では「大物」と「努力賞」は? (4ページ目)
なにより、ルーキーの(オスカー・)ピアストリがすごかった。レースではタイヤマネジメントも含めて、さすがにまだランド・ノリスに一日の長があるけど、予選ではノリスにタメを張る走りをしていましたからね。久々にすごい大物が来たなと感じました。
初めての鈴鹿(第17戦日本GP)でもノリスに勝ったし、カタール(第18戦)ではスプリントとはいえ、マックスがいるところでポールポジションを獲って勝ちましたからね。間違いなく彼らはシーズンを盛り上げた大きな要素だったと思います」
── それ以外に気になったチームやドライバーはいましたか?
「ウイリアムズも面白かったかなと思います。アレクサンダー・アルボンがマシンの特性を生かして、マシンの不利な部分を"直線番長"でカバーしてレースを戦う姿が印象的でした。アレックスには努力賞・功労賞をあげたいですね。
ストレートはクルマにがんばらせて、コーナーは俺ががんばる。オーストラリア(第3戦)ではぶつかってしまったけど、それ以外のストレート重視のレースではしっかりポイントを獲りましたからね。チーム力としてはそんなに高くないなかで、ドライバーが最大限の力を出しきっているなと思えたのはアレックスでしたね」
(後編につづく)
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【profile】
山本雅史(やまもと・まさし)
1964年3月15日生まれ、奈良県出身。高校卒業後の1982年、本田技術研究所に入社。2016年、マネージメントの手腕を買われてホンダ本社のモータースポーツ部長に就任。2019年にF1担当マネージングディレクターとなり、2020年のアルファタウリ優勝や2021年のレッドブル・ドライバーズタイトル獲得に貢献。2022年1月にホンダを退職し、現在はMASAコンサルティング・コミュニケーションズ代表を務める。
著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。
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