F1角田裕毅 独占インタビュー「結果で恩返しをしたい」 日本GP、2024シーズンに向け気合い十分 (3ページ目)
【シートを失う理由はない】
ーー2024年シーズンの動向がまだ発表されずにファンの皆さんもヤキモキしていると思います。現在の状況を言える範囲で教えてくれませんか?
僕の希望はありますが、最終的にはレッドブルとホンダ次第という状況にあります。でも今シーズンは今までとは違う感触や印象をレッドブルの首脳陣が持ってくれたと思っていますので、シートを失う理由はないと感じています。
だから来年に関しては、あまり心配していません。とにかく今は自分のパフォーマンスを上げることだけに集中しています。
ーー海外ではレッドブルのリザーブドライバーの可能性を報道しているところもあります。
リザーブドライバーよりは、このままアルファタウリでしっかりと1年間戦いたいという気持ちを強く持っています。
ーー2026年からホンダが正式に復帰しますのが、ホンダに対してはどんな思いを持っていますか?
そもそもホンダさんがいなかったら、僕が今、F1ドライバーとしてここにいることはありません。きっとヨーロッパのF3やF2の舞台にすら立てていなかったと思います。僕のキャリアを形成するうえで、父のサポートもかなりの大きかったですが、7〜8割を占めているのがホンダさんです。特にフォーミュラにステップアップしてからは金銭的な部分を含め、さまざまなサポートが必要となってきます。
ホンダさんがこれまで僕を毎年、適切なタイミングで適切なカテゴリーに送り出してくれ、F1まで導いてくれました。本当に感謝しています。だからこそ、僕は言葉じゃなく結果で恩返しをしたいんです。
自分の走りを成長させて、最終的にはこれまでのサポートに報いるだけの大きな結果を出したい。そこまでの道のりはまだまだ長いですが、一歩ずつ成長して、サポートしてよかったと思える選手になれるように努力を続けたいです。
ーーさて2回目の母国GPとなりますが、ファンの皆さんの前でどんな走りを見せたいですか?
いつもテレビの前で応援してくれているファンの方はもちろんのこと、海外のサーキットにまで足を運んでくれている方もいます。今年はこれまで開催された全サーキットで日本の国旗を持って応援に来てくれるファンの方がいました。そういったファンの皆さんのためにも力強い走りを披露したいです。
応援していてよかったと思える走りをしたいし、僕個人としても鈴鹿を走るのはすごくワクワクしています。ひとりのドライバーとして純粋にレースを楽しみ、もちろん日本のファンの皆さんの前で絶対にポイントをとりたいです!
川原田 剛/編集協力
【プロフィール】
角田裕毅 つのだ・ゆうき
2000年、神奈川県生まれ。18人目の日本人F1ドライバー。2020年、レッドブル・ジュニアチームの一員としてFIA F2選手権に出場し、優勝3回、ポールポジション4回、表彰台4回の活躍を見せ総合3位に入る。2021年、アルファタウリからF1参戦。その開幕戦では日本人F1ドライバーとして初のデビュー戦での入賞を記録。ランキング14位でデビューシーズンを終える。2022年は、ランキング17位。2023年でF13年目を迎えている。
著者プロフィール
川原田 剛 (かわらだ・つよし)
1991年からF1専門誌で編集者として働き始め、その後フリーランスのライターとして独立。一般誌やスポーツ専門誌にモータースポーツの記事を執筆。現在は『週刊プレイボーイ』で連載「堂本光一 コンマ1秒の恍惚」を担当。スポーツ総合雑誌『webスポルティーバ』をはじめ、さまざまな媒体でスポーツやエンターテイメントの世界で活躍する人物のインタビュー記事を手がけている。
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