角田裕毅が挑む「ラクではない週末」 劣勢でも入賞を奪い取る腕の見せどころ
F1は再びヨーロッパに戻り、第10戦オーストリアGPから夏休みまで「5週間で4戦」の過密スケジュールに突入する。
前戦カナダのみならず、ここ3戦はポイント圏を視野に入れた争いをしながらも歯車が噛み合わず、不本意な結果が続いている。アルファタウリと角田裕毅にとっては、ここできちんと自分たちの実力を結果につなげておきたいところだ。
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【同じミスを犯すことはない】
角田が前戦のカナダGPを振り返る。
「カナダではすべてをまとめきれませんでしたし、ポイントを獲る速さがあっただけに余計に残念でした。FP3ではいいペースがあったにもかかわらず、いつもと違って予選ではマシンのパフォーマンスをフルに引き出すことができませんでした。
決勝では最大限挽回しようとアグレッシブな戦略を採ったんですが、正しく実行することができなかったのかもしれません。でも、そこから学べることはたくさんありましたし、今後は同じミスを犯すことはないと思います」
カナダでは19番グリッドからスタートし、1周目にピットインして最後まで走りきるギャンブル的戦略を選んだ。最後までタイヤが保てば、7位入賞を果たしたアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)のうしろでフィニッシュするチャンスがあったものの、途中で2ストップ作戦に切り替えたことで、その可能性を自ら捨ててしまった。
スペインGPでは周冠宇(ジョウ・グアンユー/アルファロメオ)とのバトルでペナルティを科されて、9位から後退。モナコGPではマクラーレン勢を抑えて9位を走っていたものの、雨でブレーキ温度が低下し大きく後退してしまった。
「ここ2、3戦は、自分としては最大限の力を出せているんですけど、(スペインの予選で)トラックリミットに引っかかってしまったり、まとめきれていないところもあるので、そのあたりも踏まえつつ、今後のレースでは気を引き締め直していきたい」(角田)
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プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。