松下信治が後輩・角田裕毅にあえて厳しい言葉。「トップで花を咲かせるには圧倒的な武器が必要」 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【インディ経由でF1参戦も?】

 日本で結果を出したとしても、現実的にはF1への道は開けない。しかし、インディに挑戦してそこからF1へのルートをこじ開けることは、F2を経験してヨーロッパを知る松下には十分現実的な可能性があると言える。

「もちろん、日本から直接ヨーロッパへ、という話にはならないと思うけど、インディからF1へという道もある。今アメリカに注目が集まってきているから、マクラーレンのようにインディドライバーをテスト起用したりというチャンスもある。現実的に有り得る話だと思っています。

 だけど、時間はどんどんなくなっていくから、その危機感もあります。でも、そのプレッシャーや危機感を味わえるからこそ人生は楽しいし、そのなかで全力で戦っていくことを楽しんでもいます」

 新時代からさらに一歩前へと進むF1と、そこでうごめくドライバーたち──。そして、夢への挑戦を続ける松下信治の2023年にも期待したい。


【profile】
松下信治(まつした・のぶはる)
1993年10月13日生まれ、埼玉県さいたま市出身。4歳の時にF1日本GPを観戦して「F1レーサーになる」夢を持つ。幼少期からカートで腕を磨き、2011年に鈴鹿サーキットレーシングスクールに入校して首席で卒業。2014年に全日本F3で王者となって2015年からGP2シリーズを主戦場とする。2016年・2017年はマクラーレン・ホンダのテストドライバーを経験。2020年途中から日本に戻り、昨季はスーパーフォーミュラ初優勝を飾った。

【筆者プロフィール】米家峰起(よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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