F1の安全神話は崩れた。時速200km/hで「あわや大惨事」だった日本GPの教訓を生かすことができるか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

あと2勝でシューマッハと並ぶ

 しかし、COTAの路面は非常にバンピーで、脚回りが硬くなった2022年型マシンでは苦しいドライビングを強いられるかもしれない。セクター1のターン2からターン10、そしてターン12からターン15の低速スタジアムセクションは再舗装され、それ以外の箇所もグラインダーで削って対処しているが、どこまで改善されているかは実際に走ってみなければわからない。

「今年はいくつかの箇所が再舗装されているとは聞いています。去年は路面がかなりバンピーだったので、特にセクター1で今年のマシンがどんな挙動を示すのか楽しみですね。

 バンプのためにセットアップを変えればパフォーマンスを犠牲にすることになりますし、特に高速コーナーでの速さを失うことになるので、できればやりたくないです、最適なバランスを見つけ出さなければならないと。それをうまくやって、マシンをサーキットに合うようにセットアップできればと思います」

 鈴鹿ではマックス・フェルスタッペンがドライバーズタイトル獲得を決めたが、このオースティンではレッドブルのコンストラクターズタイトル獲得がかかっている。フェラーリがレッドブルより19点多く獲得できなければ、レッドブルのタイトルが決まる。

 フェルスタッペン自身もあと2勝を挙げれば、2004年にミハエル・シューマッハが達成したシーズン最多勝記録13勝を更新することになる。

「残り4戦あるから、どういう結果になるかだね。僕としては毎戦、勝つつもりでベストを尽くすだけだよ。タイトルは決まったけど、それでもまだ僕は勝ちたいと思ってレースに臨んでいるので、自分自身のベストを尽くす。もちろん、これまでよりもリラックスできているけど、クルマに乗ってしまえばベストな走りをしたいという気持ちになるからね」

 一方でF1界は、2021年のコストキャップ違反に関するFIAからの報告書と、それに対するペナルティの裁定で揺れている。さらに日本GPでは、3時間ルールの規定やポイントシステムを定めるレギュレーションの不備などが次々と明らかになった。

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