フェルスタッペン13秒後方からの猛追が見たかった。ルクレール3戦連続の不運で「最高のバトル」はまたもお預け (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

3戦で最大80ポイントの損失

 いずれにしても、ルクレールはこれでトラブルにより2戦を失った。ドライバーズ選手権では首位フェルスタッペンの150点に対し、ルクレールは116点。ついにペレスに抜かれて、ランキング3位に後退してしまった。

「シーズン序盤には僕らにもいくつか不運があったし、それを挽回するために必死に戦わなければならなかった。でも、ここに来て不運はイーブンになったと思う。あとは選手権争いをするために、すべてのレースでポイントを獲っていくことが重要だ。もちろん誰だってそんなことはわかっているけど、そう簡単なことではないということさ」(フェルスタッペン)

 ルクレールもフェルスタッペンも、それぞれトラブルで2戦ずつ落としている。とはいえ、フェルスタッペンがリタイアしたのはいずれもルクレールの後方2位走行中。それに対し、ルクレールがリタイアしたのはいずれも首位走行中。自身の25点を失っただけでなく、さらに相手に7点を献上するリタイアだった(優勝25点、2位18点)。

 そしてモナコでは、チームの戦略ミスで勝利を逃して4位12点に終わっている。この3戦だけでもルクレールは、フェルスタッペンに対して最大で80点も失っていることになる。

フェルスタッペンは今季8戦中5勝をマークフェルスタッペンは今季8戦中5勝をマークこの記事に関連する写真を見る フェルスタッペンは目の前の結果だけに満足せず、レッドブルがまだ完全な強さを手にしているわけではないと語る。

「予選で僕らはフェラーリほどの速さがない。それが決勝での助けになっているかも知れないけど、それは誰にもわからないからね。マシンのフィーリングだけでなく、自身の予選パフォーマンスももっと引き上げなければいけないと思っている。決勝でのフィーリングが常に良好であることは確かだけど、予選パフォーマンスにはまだまだ改善すべき点がある」

 予選では、依然としてフェラーリが最速。しかし、決勝では両者互角の速さがあり、戦略と信頼性でこの差がついてしまっている。

 開幕から2戦続けて「ルクレール対フェルスタッペン」の激しい優勝争いが繰り広げられた。ただ、それ以降はいずれかの自滅によって呆気ないレースが続いている。

 シーズンはすでに3分の1を過ぎようとしている。そろそろ再び、全員が全力を尽くし合った最高の優勝争いが見たい。

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