角田裕毅にF1初開催マイアミはチャンス。ベテランたちとの経験の差は縮まるか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

バトルが増える可能性あり?

 それとは別に、ぐるりと左に回り込みながらブレーキングするターン7がカギになりそうだと、角田は見ている。

「ターン7は完全にブラインドで、コンシステント(安定的)に走るのが難しいでしょうから、エイペックスをミスしたりすると大きなタイム差につながる。毎ラップ完璧な走りを決めるのは難しいと思います。そこでミスをすれば立ち上がりが遅れてターン11で抜かれたり、(相手の)オーバーテイクチャンスを増やすコーナーなので、このサーキットでカギになるコーナーのひとつだと思います」

 ターン7からターン8のブレーキングやライン取りで挙動を乱してタイムロスを喫することもあれば、そこからの立ち上がりで遅れてターン11までの長いバックストレートで劣勢に立たされることもある。ターン7のミスは、ターン11にまで直結するというわけだ。

 しかし、低速セクションのあとには再び長いバックストレートがある。ここでDRS(※)を使って抜き返すことも可能だろうと、角田は予想している。

※DRS=Drag Reduction Systemの略。追い抜きをしやすくなるドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

「ターン11から16までのタイトコーナーでは、前走車のうしろを走ってもそれほどダウンフォースを失わないでしょう。ターン11で抜かれても(相手に)ついていって、ターン17で抜き返すチャンスはあると思います。なので、多くのバトル、オーバーテイクが見られるのではないかと思っています」

 だからこそ、ダウンフォースと空気抵抗を削ってストレートスピードを稼いだほうがいい、という考え方もある。各チームとも2回の金曜フリー走行を使いながらデータを収集し、ライバルたちの出方を見ながらセットアップを仕上げていくことになるだろう。

 路面舗装は非常にスムーズ。だが、コーナーによってはアウト側が下がるオフキャンバーで、マシンの挙動は不安定になりそうだ。

 ターン13〜15への登りやターン16への下りをはじめとして、わずかなアップダウンやアンジュレーションもある。シミュレーターだけでは把握しきれないサーキット特性の習熟も、金曜フリー走行からの重要なポイントになるだろう。初日の角田はコースを走り込み、フリー走行2回目で13番手につけた。

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