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フェルスタッペンvsルクレール、その差わずか0.549秒。3度目のトライでF1王者が魅せた神業オーバーテイク

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 2022年のF1は、いまだかつてないほどに、面白い。

 開幕戦バーレーンGPに続き、第2戦サウジアラビアGPもフェラーリ対レッドブル、シャルル・ルクレール対マックス・フェルスタッペンの激しい優勝争いとなった。

 両者のラップタイムは拮抗し、周回ごとにポジションを奪い合う激しいバトルが繰り広げられた。

限界ギリギリのブレーキングで勝負するフェラーリとレッドブル限界ギリギリのブレーキングで勝負するフェラーリとレッドブルこの記事に関連する写真を見る「すごくタフだったけど、いいレースだったね。僕らはとてもハードなバトルを展開して、長い長い駆け引きだった。

 最終コーナーのDRS(※)に向けてチャールズ(シャルル・ルクレール)は頭脳戦を仕掛けてきて、彼らのディフェンスモードにもかなり強力なものを感じられた。こちらにトップスピードの優位があったものの、オーバーテイクするのはかなり難しかったよ」(フェルスタッペン)

※DRS=Drag Reduction Systemの略。追い抜きをしやすくなるドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

 レース序盤をリードしたのは、予選で驚異的なアタックを決めたセルジオ・ペレスだった。高速S字でリスクを負って誰もが驚くような走りを見せ、フェルスタッペンより5km/hも速い速度で駆け抜けた。

 しかし、2位ルクレールのアンダーカットを阻止すべく、先にピットインしてルクレールの前を確保しようとしたところで、ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)がクラッシュしてセーフティカー導入となってしまった。これでライバルたちはスロー走行中にピットインを済ませ、ペレスは4位まで後退して優勝争いから脱落してしまった。

「チェコ(ペレスの愛称)にとって、本当に可哀想なくらいガッカリなレースだった。予選であれだけすばらしいアタックラップを決めてポールポジションを獲得し、リードを守ってレースをコントロールしていたんだからね。

 我々はレース前に話し合って、決めていた周回に彼をピットインさせたんだ。そうしたら、その直後にセーフティカーが出てしまった。自分たちにとって有利になることもあれば不利になることもあるのがセーフティカーだから仕方がないが、彼にとっては非常に不運だったよ」(クリスチャン・ホーナー代表)

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