今季F1序盤は「レッドブルvsフェラーリ」の2強構図。史上最速の市街地サーキットで真の勢力図は見えてくるか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

レースを支配したフェラーリ

 結果、レッドブルはブレーキの過熱と、ピットストップ時のジャッキダウンによるトラックロッド湾曲で、ステアリングが不安定になる。それらトラブルを抱えた末、最後は2台ともに燃料システムのトラブルで、まさかのリタイアという衝撃的な結末となってしまった。

「とにかくポイントを取ることが重要なのだから、この結果にはガッカリだよ。スタート直後のターン1でのシャルル(・ルクレール)とのバトルでも、僕はそれほどリスクを取らず、何事もなくクリーンに走るように心がけていた。ここで(勝てなくても)2位になれれば、満足できる結果だったから。

 でも、こうしてチームとして多くのポイントを失ってしまった。シーズン終盤にタイトな争いになるかも知れないことを考えると、今回取れるはずだった2位と4位はとても重要なポイントだったんだからね」(フェルスタッペン)

 マシンにトップ争いをする速さがあったことはポジティブな要素だとしながらも、フェラーリの速さはレッドブルとフェルスタッペンにとってショッキングなものだったはずだ。前述のとおりギャップは僅差でも、内容に目を向ければフェラーリは余裕を持ってレースを支配していたからだ。

 最終的にエンジンに燃料が供給されず止まってしまったが、今季から導入されたE10燃料と燃料ポンプのマッチング不足に問題があったようで、その点は第2戦サウジアラビアGPまでの数日間で究明し対策を施したという。レッドブルは水曜夜の作業禁止規定時間を超えて作業を行ない、マシンの準備を整えている(今季1回目の例外適用であり、ペナルティはなし)。

 開幕戦のバーレーンでは、フェラーリ製パワーユニットのパワフルさが際だった。ただ、これがやや攻めたセッティングを選んだためなのか、それとも常用レベルでアドバンテージがあるのか。

 レッドブルが軽いリアウイングを装着し、最高速重視のセットアップを採った。そのために中高速コーナーで後れを取り、タイヤマネージメントでも負けたのか。

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