スーパーGTにフェアレディZが15年ぶりに帰ってきた。「かなり速いらしい」の噂にライバルも戦々恐々 (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

ようやく同じ土俵に立てた

 ライバルたちの探りに対して、松田は警戒する一方、手応えも掴んでいる様子だった。

「僕たちからすれば、『みんな本気出していないでしょ?』という感じで見えちゃうので......。毎年そうですが、そこは探り合い。僕たちが速いのかどうかもわからないですし、相手がどれだけ余力があるのかもわからないです。

 でも、昨年のテストを考えたら、『同じ土俵に立てたのかな』というところまで来ていると思います。それをもっとよくしていきたいです」

 いずれにしても、テストの段階で各陣営の真の実力を測るのは難しい。しかし松田は今シーズン、かなりの接戦になるだろうと予想している。

「非常に拮抗していますね。0.1秒遅かったら順位が下がっていくほどレベルが高いので、タフな戦いになるのかなと思います。Zでチャンピオンを獲りたい、という想いはもちろんあります。GT-Rでたくさん勝利数を重ねてきましたが、Zになってからも勝利数をもっと伸ばしていけるようにしたいです」

 第1戦が行なわれる岡山国際サーキットでの公式テストでトップタイムを記録していたトヨタ勢、低速コーナーを得意とするホンダ勢は、開幕戦で優位に立つかもしれない。しかし、日産Zのストレートスピードが改善されていれば、第2戦や第4戦の富士スピードウェイで立場は逆転するかもしれない。

 スーパーGTは2年続けて、シーズン最終戦で劇的な大逆転の末に年間チャンピオンが決まった。新型Zの登場により、2022年はよりシビアなバトルが展開されていくことだろう。完全復活を期す日産に注目したい。

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