スーパーGTにフェアレディZが15年ぶりに帰ってきた。「かなり速いらしい」の噂にライバルも戦々恐々 (2ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

GT-Rと新型Zの違いは?

 松田は「日産のエース」としてGT-Rを駆る印象が強い。しかし実は、日産陣営に加入したのは2006年で、当時参戦した車両ベースはフェアレディZの「Z33」。初勝利を飾ったのも、このクルマだった。

「こうして、十数年ぶりにZでレースができるということで、原点回帰ではないですけど、うれしいですし、楽しみです。チャンピオンも獲れる体制だと思うので、いい形なのかなと思います」

 久しぶりのスーパーGT復帰に加え、日産の新型Zが注目を集める理由がもうひとつある。それは、シーズンオフからレース関係者の間で駆け巡った『新型Zが速そうだ』という噂だ。

 ライバルメーカーの警戒する声は、3月12日・13日に行なわれた岡山国際サーキットでの公式テストでも聞こえてきた。

 特に話題に上がっていたのは、新型Zの「直線スピード」だ。ホンダのSTANLEY NSX-GT(ナンバー100)を駆る牧野任祐は「ロングラン(決勝レースを想定した連続周回)のテスト中に何度か日産Zにコース上で遭遇しましたが、ストレートスピードがかなり速いなという印象でした」と語っている。

 日産のエース・松田に質問をぶつけてみた。「GT-RとZの違い」について尋ねると、こう答えた。

「GT-Rはダウンフォースを出してコーナリング重視のクルマでしたが、(Zは)バランスを取ったオールマイティなクルマになっていると思います。なので、どのサーキットに行っても安定して戦えるクルマなのかなと。(Zのストレートが速いとライバルが言っているのは)空力バランスを見直している部分があるので、そこが大きいと思います」

 公式テスト2日目には、23号車が0.130秒差で総合2番手タイムを記録。1日目のセッションでもトップ集団と遜色ないタイムを叩き出していた。それでも、ライバルからは「日産はまだ手の内を隠しているのではないか?」という声も挙がっていた。

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