2022版F1マシンはすべてがガラリと変わった。噂の「グラウンドエフェクトカー」のメリット、デメリットとは? (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

注目は次のバーレーン合同テスト

 バルセロナ合同テストで最速タイムを刻んだのは、メルセデスAMGだった。しかし、これはC5という最もソフトなタイヤを使っており、ラッセルは「僕らはC5を使ったので、ラップタイムは実力を反映したものではない。フェラーリとマクラーレンは強力で、ロングランでもパフォーマンスランでも速くてタイヤマネージメントもうまくやっている。現段階で僕らが遅れを取っていることは間違いない」と断言する。

 ポーパシング問題に対処するため、メルセデスAMGはややリアがナーバスなマシンバランスに苦しんでいることがうかがえた。

 確かにフェラーリはC3タイヤのロングランでメルセデスAMG勢を上回るタイムを記録しており、信頼性もピカイチで最多周回数を刻んだ。しかし、フェラーリやマクラーレンとしても現状に油断することはない。レッドブルもC2やC3タイヤで淡々とデータ収集の走行に徹しており、その実力はまったくと言っていいほど見せていない。

「どのチームも様々な燃料搭載量やパワーモードで自分たちのテストプログラムをこなしているから、現時点では何とも言えない。全体を見れば僕らが悪くないところにいるのは確かだけど、メルセデスAMGとフェラーリも初日から常に上位にいて、どんなロングランでも速くよさそうだ。

 フェラーリはかなり強力なように見えるけど、メルセデスAMGやレッドブルもすぐそこにいる。現段階でメルセデスAMGが苦戦しているのは事実だろうけど、テストで苦しんでいても開幕戦ではしっかりと強力なパフォーマンスを発揮してくるのが彼らだからね」(ノリス)

 新世代のF1マシンは、まだ走り始めたばかり。わずか3日間の本格走行を終えたばかりで、各チームともこれから徹底的なデータ分析とアップデート、セットアップ改善によってパフォーマンスを最適化していく。

 次のバーレーン合同テストこそが、真の意味での試金石となるはずだ。

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