スバルBRZ、スーパーGT王者までの軌跡。「声援は力!」を信じたスバリストの想い (2ページ目)
【背中を押したスバリストたち】
2018年、スバルBRZは序盤から中盤にかけてマシントラブルが頻発する。思いどおりに走れない状況が続き、第2戦・富士ではトラブルでマシンを降りた山内が感情を露わにする場面もあった。気がつくと、スバルBRZは2018年の第6戦・SUGOを最後に勝利から遠ざかっていた。
ただ、そんなつらい状況でも彼らを支えたのが、多くのスバルファン"スバリスト"たちだった。コロナ禍以前は設けられた専用応援席に駆けつけ、東京で開催されるパブリックビューイングにも集結。参加するファンほぼ全員が青色のユニフォームを身に纏い、スバルの旗を振って声援を送り続けた。
"応援してくれるファンのみなさんに、結果で恩返しをしたい"
その想いを胸に、61号車のメンバーたちは挑戦の手を緩めなかった。そして、その努力が今年、モデルチェンジしてスーパーGTデビューした新型BRZとともに形となる。
第7戦までにポールポジションを3度も奪い、第5戦・SUGOで見事に優勝。さらには100kgのサクセスウェイトを積んで臨んだ第6戦・オートポリスでも勢いは衰えず、3位表彰台に入る粘りを見せた。
着々とポイントを重ね、ランキング首位で迎えた最終戦となる第8戦・富士。プレッシャーのかかる大一番で背中を押してくれたのも、やはり多くのスバリストたちだった。
「チャンピオンを獲ったことがないので、どういう心境で最終戦に臨めばいいかわかりませんでした。だけど、大会前にイベントがあってファンの方と直接話して、すごく元気をもらいました。気持ちも吹っきれた感じになって、"みんなのために"とか"チームの想いをのせて"という気持ちになれたので、ほどよい緊張感でサーキットに入れました」(井口)
「ファンの方から『みなさんが頑張っているのはわかっているので、こういうのもアレなんですけど......頑張ってください!』という声をいただいて。頑張りを感じ取ってくれていることがすごくうれしかったです。スッキリした気持ちで最終戦に臨めました」(山内)
井口と山内はあらためて、ファンのためにチャンピオンを獲りたいと強く決意したという。
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