2021.12.17

スバルBRZ、スーパーGT王者までの軌跡。「声援は力!」を信じたスバリストの想い

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 今年もスーパーGTシリーズはさまざまなドラマが巻き起こり、最後は歓喜に包まれた大円団となった。GT500クラスは、トヨタが最終戦を制して大逆転でチャンピオンを獲得。「ホンダ圧倒的有利」のなか、最後の最後でトップに立つというまさかのどんでん返しで幕を下ろした。

 一方、GT300クラスのチャンピオンに輝いたのは、ナンバー61のSUBARU BRZ R&D SPORT(ナンバー61 井口卓人/山内英輝)。これまで何度も悔しい思いをしてきたスバル陣営が、ついに初の栄冠を掴んだ。待ちに待った歓喜の瞬間、多くのスバルファンが涙した。

スバルを初のGT王座に導いた井口卓人と山内英輝スバルを初のGT王座に導いた井口卓人と山内英輝 この記事に関連する写真を見る  スバルのGTの歴史は浅くない。前身の全日本GT選手権の頃から参戦し、インプレッサやレガシィB4といった当時のスバルを代表する車両が活躍した。そして2012年からは、現在のスバルを代表するスポーツカー「BRZ」をベースとした車両でR&D SPORTとともに戦っている。

 人気の新型マシンだけに、スバルBRZはデビュー戦から大きな注目を集めた。だが、最初は熟成不足で苦労も多く、初年度は未勝利に終わる。翌2013年にはタイヤメーカーをヨコハマからミシュランに変更。このコンビネーションが機能し、第5戦の鈴鹿1000kmではスバルBRZ初の優勝を飾った。

 この鈴鹿での初優勝の時、第3ドライバーとしてスポットエントリーしていたのが、現在エースとしてスバルを牽引する井口卓人だ。井口は2014年からレギュラーに昇格し、長きにわたってスバルBRZの進化・熟成に取り組んできた。

 さらに2015年には、現在の相棒・山内英輝が加入。この年からタイヤをダンロップに変更し、当時GT300クラスで一目置かれる速さを見せていた山内とのタッグで一気にチャンピオン獲得を目指した。

 だが、ここから予想を上回る苦労の日々が始まる。

 スバルBRZは鈴鹿サーキットなど得意としているコースでは速さを披露し、優勝や表彰台を獲得する活躍も見せた。しかし、肝心な場面でトラブルやアクシデントに見舞われることが多く、戦線離脱を余儀なくされるシーンも目立った。