2021.11.09

レッドブル・ホンダ、勝負を賭けたターン1。フェルスタッペンは一瞬の隙を見逃さなかった

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 13万8435人の大観衆が詰めかけたアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスは、かつてないほどの大興奮に包まれた。

 予選でメルセデスAMGに手痛い敗北を喫したレッドブル・ホンダのふたりが、第18戦メキシコGP決勝で圧倒的な速さを取り戻して逆襲を果たした。マックス・フェルスタッペンはスタートで首位に立ったあとは独走勝利、そして母国の英雄セルジオ・ペレスはルイス・ハミルトンとの接近戦を制すことはできなかったものの、メキシコ人として初めて母国で表彰台に立ったのだから当然だ。

メキシコ国旗を掲げるフェルスタッペン(左)とペレス(右)メキシコ国旗を掲げるフェルスタッペン(左)とペレス(右) この記事に関連する写真を見る 「母国GPで表彰台に立つのは本当に特別なものだよ。もちろん勝ちたかったし、ワンツーフィニッシュなら最高だった。負けず嫌いな人間だから3位では満足はできないけど、今日はこの結果を楽しむべきだろう。これだけ大勢のファンの人たちが応援に詰めかけて楽しんでくれているわけだからね」

 母国で大歓声を浴びたペレスは3位という結果を手放しでは喜ばなかったものの、大観衆の歓喜に笑顔で応えてみせた。

 フェルスタッペンは3番グリッドから前のバルテリ・ボッタスのトウを使い、ターン1に向けてアウト側に並びかけた。メルセデスAMGはタイトルを争うハミルトンを優先しようとするが、加速が鈍かったボッタスはハミルトンにトウを与えることができず、フェルスタッペンをブロックすることもできなかった。

 それを見逃さなかったフェルスタッペンは、最もグリップの優れたレーシングライン上へとマシンを置いて、誰よりも奥までブレーキングを遅らせた。ターン1で勝負を賭けたのだ。

「ストレートエンドではものすごい車速が出ているし、タイヤはスタートしたばかりで冷えているし、ブレーキもまだ熱が十分に入っていないし、かなり正確なブレーキングが必要とされる。イン側だったら普段誰も走らないだけに路面が汚れているからトリッキーになるけど、アウト側ほどはブレーキを遅らせることはできない。もちろん、コーナーに入っていく角度もツラくなるしね。