角田裕毅に注がれる厳しい目、レッドブル・ホンダも異様な雰囲気。お膝元でのプレッシャーは絶大だ (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

「僕はいつもQ1の最初からプッシュしてしまいがちで、とくに僕らのマシンがいつもQ3に行けるくらいいいパフォーマンスがあることを考えれば、必要のない場所でプッシュしてしまっていました。そういう意味でこれまでに2回か3回、同じミスを犯してしまって予選をそこで終えてしまっているので、今後は予選の最初はもう少し抑えめに行く必要がありますし、リラックスしてこれまでとは違うアプローチの仕方をしたいと思っています」

 カギは、フリー走行からプッシュしすぎることなく、ミスのないレース週末を過ごすことだ。

 いや、予選の最後にマシンの限界を求めてプッシュをし、結果として限界を超えてクラッシュしてしまうのなら構わない。それによってマシンの限界を学ぶことができるからだ。

 しかし、プッシュする必要のない場面で無意識のうちに限界を超えること、もしくは明らかに限界を過ぎた無謀なプッシュは厳禁だ。それが許される時期は、もうとっくに過ぎてしまっている。

 問題はF1ドライバーとしてのドライビングスキルではなく、プッシュすべき場面ではないことを認識して自分を抑える冷静さだ。それさえきちんと保つことができれば、角田の運転技術そのものに疑いはないのだから。

「同じようなミスはもう犯したくはありません。でも、予選で可能なかぎりいい結果も掴み取らなければならないので、もちろんプッシュはしていきますが、今週末のアプローチの仕方を変えることは間違いありません。FP1から予選に向けて自信を築き上げていくことも大切だと思っているので、そのアプローチの仕方がうまく機能するかどうか見てみたいと思います」

 ただし、今週末のレッドブル・リンクには雨まじりの天気予報が出ている。

 とくにフリー走行が雨で十分な走り込みができないまま、ぶっつけ本番で予選・決勝に臨まなければならなくなった時、いかに対応できるか。角田にとっては試練の週末になりそうだ。

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