2021.03.31

角田裕毅、速さは本物。スーパールーキーの真骨頂は次戦のお楽しみ

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)の9位入賞と、レッドブル・ホンダの2位表彰台。

 ともに称賛されるべきは、その"結果"ではなく、"中身"のほうだった。

 どちらも決勝後に浮かべたのは笑顔ではなく、むしろ不満顔だった。予選で手にした大きな手応えに比べれば、決して満足できる結果ではなかったからだ。もっと多くを期待していたとも言える。

F1デビュー戦で9位入賞を果たした角田裕毅 角田は予選Q1で2番手タイムを記録する快走を見せたが、Q2ではミディアムタイヤでの通過を狙ってこれに失敗し、13番グリッドからのスタートを強いられた。

 僚友ピエール・ガスリーは0.146秒差で通過に成功したが、角田はミディアムのグリップを引き出し切れたという自信が持てず、アタックラップをまとめられずにQ2敗退となってしまった。Q3に進んでいればガスリーと同じ5番グリッドあたりを争えていただけに、悔いの残る結果となった。

 Q1では路面の改善シロが約1秒と予想以上に大きく、最後にタイムアタックをしたアルファタウリ勢はその恩恵を大きく受けた。これによって自分たちのポテンシャルをやや過大評価してしまったことが、2強チーム以外で唯一「ミディアムでのQ2通過を目指す」という戦略のリスクを取る結果になったように見えた。

 もっと上位のグリッドは間違いないという手応えを掴んでいただけに、予選後の角田は狐につままれたような様子だった。

「う〜ん、不思議な気持ちとガッカリしている気持ちが混ざって、何が起こったのかは正直、まだわからないです。Q1では普通にいつもどおりいったんですけど、Q2でいきなり(遅くなった)。とくに大きなミスをしたわけでもないし。すごくグリップが失われて、まったくタイヤが機能していなかった感じがします」

 13番グリッドからスタートした角田は、計算上最適な戦略であるミディアムでスタートすることを選んだ。だが、ミディアムはQ2で使い切ってしまったため中古タイヤしかなく、Q3に進んでいた場合と同じ戦略を採ることになった。