2020.11.17

ドリフト界のアイドルは努力の人。仕事掛け持ちで貯金して買った車は?

  • 川原田剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 能登直●写真 photo by Noto Sunao(a presto)

「ドリフトは私にとって純粋に打ち込めるもの」と語る下田「ドリフトは私にとって純粋に打ち込めるもの」と語る下田  そして、貯めたお金で念願だったマツダRX-7を購入しました。運転免許もオートマチック限定を解除し、マニュアル(MT)車の免許を取得して。でも当時はMT車の運転が下手で、赤信号でエンストして渋滞の原因を作ってしまったことも何度かありました(笑)。いざサーキットへ行って練習しても、ドリフトの方法がまったくわからず、パイロンの周りをウロウロ(笑)。そんな状態からのスタートでした。

 それでも現在もお世話になっている『車楽人アソシエーション』のドライビングスクールに参加し、正しいドリフトのテクニックを基礎から教えてもらいました。ステップ・バイ・ステップで教わるようになって、グーンと伸びましたね。

 スクールにはプロのドリフト選手がいたのですが、彼らの走りを目の当たりにした時に、仕事をしながら練習していたのではとても追いつけないと感じました。それで仕事を全部辞めて、2年ぐらい徹底的に練習して、それで芽が出なければドリフトの道を諦めようと考えました。それからはサーキットに通って練習する日々が続き、気がついたら11カ月で130日もサーキットで練習していました(笑)。

 一般的なレースではシンプルに速さを競いますが、ドリフトはまず見て迫力があることが審査ポイントになります。それから芸術性です。カッコよさや美しさを感性で楽しんでもらえるスポーツですね。レースと同様に速さも必要です。遅いよりも速いほうがドリフトの迫力はありますからね。究極的に言えば、お客さんが「カッコいい!」と感じる走りをすることが一番大事です。

 ドリフトの難しさは、同じコースを同じように走り続けること。同じように淡々と走っているように見えるのですが、その日の気温や路面状況は刻々と変化しますし、1回走るとタイヤの状況も変わってきます。環境によってエンジンのパワーも若干上下しますし、車速の違いによってもドリフトの「飛距離」が違ってきます。