アイルトン・セナの事故から26年。ホンダF1はイモラで奇跡を起こせるか (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

 レッドブルが懸念するのは、RB16が持つリアのナーバスな挙動が出ないか、ということだ。

 マシンバランスを安定させることができれば、レッドブルは速さを発揮できる。しかし、マシンの前後がバラバラの動きをするようなマシンバランスであれば、フェルスタッペンでさえ手を焼くことになる。

 アレクサンダー・アルボンは不振が続き、本来の速さを結果に結びつけることができていない。ガスリーのアルファタウリ残留が発表され、いよいよアルボンも周囲からの重圧がピークに達している。アルボンを残留させるのか、経験豊富なベテランを獲得するのか。レッドブルの決断は目前に迫っているだけに、ここで結果を出さなければならない。

「ドライビングだけに集中している。何よりもとにかく結果だ。そこに集中していれば、それ以外の雑音は聞こえなくなる。レッドブルのようなトップチームで走ることは、どんなドライバーだって憧れる夢。僕の望みはここにステイすることだ」(アルボン)

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 車体だけでなくパワーユニット側も、90分間のフリー走行1回のみで予選・決勝用の単一モードを決めなければならない。さらに、コースのどこで発電してどこでパワーとして使うかという、エネルギーマネジメントの煮詰めも必要だ。

 その点、ホンダは今シーズンの開幕前にアルファタウリとともにこのイモラでテストを行なっているだけに、事前シミュレーションでやや優位に立っている。

 グランプリ開催地での事前テストは禁止されているが、そのルールが導入される以前に最寄りの地元サーキットであるイモラで"フィルミングデー(宣伝撮影用走行)"として100kmの走行をこなしていたのだ。

「今年のマシンで100km走行していますから、まったく初めてというわけではありません。それなりに参考になりますね」(ホンダ・田辺テクニカルディレクター)

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