レッドブル・ホンダとメルセデスの差。4つの「まだ」を減らせるか (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

 ソチのように全開率が高い(=ディプロイメントが長時間ほしい)サーキットでは、それは有利になる。レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は語る。

「このサーキットは我々にとっていつも厳しい。かなり(長時間)ディプロイメントが切れていた影響もあったと思う。エネルギー回生のせいだとは思うが、そうなることはここに来る前からわかっていた」

 しかし、メルセデスAMGとレッドブルの差はそれだけではない。車体面の改善も、まだまだ必要だ。パワーユニットの改良が今シーズン中はできない以上、車体側ががんばるしかない。

3戦ぶりに表彰台に立ったフェルスタッペン(左)3戦ぶりに表彰台に立ったフェルスタッペン(左)「それはすべてだね。魔法のような特効薬があるわけではないし、どこかひとつではなく、マシンのあらゆるエリアを改善する必要がある。だからチーム全体、そしてホンダとともにその作業に集中している。

 今年のメルセデスAMGは非常にいい仕事をしている。おそらく過去6、7年で最も完璧で、うまくまとまったマシンだろう。それを超えるハードルは非常に高い。だが、我々が目指しているのはそこなんだ」(ホーナー代表)

 この車体の60%は、来年にキャリーオーバーされる。そのためにも今シーズン中に理解を深め、開発をしっかりと進めることが2021年にもつながる。

 一方のホンダも、来年型パワーユニットの開発だけでなく、今季型が持つパフォーマンスを最大限に使いきるセッティングやエネルギーマネジメントを追求しなければならない。

「トータルパフォーマンスとして、まだまだだと思います。レッドブルと話をすれば、車体も『まだまだだね』と言いますし、我々も『まだまだです』。『まだまだ』と『まだまだ』が組み合わされば『まだまだまだまだ』という状況になってしまいますから、それを『まだ』くらいにはしたいですね」(ホンダ・田辺テクニカルディレクター)

 ロシアGPでは2位表彰台を獲得し、メルセデスAMGの2台の間に割って入ることができた。だが、むしろメルセデスAMGとの差がさらにはっきりと見えた戦いでもあった。

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