レッドブル・ホンダ、深刻な問題が露わ「誰も抜くことができなかった」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

 モンツァのようなサーキットでは、各マシンが前走車のスリップストリームとDRSを使いながら走る。すると、バトルをしようと思っても、実質的にスリップストリームやDRSによるプラスアルファがないのと同じ状態になり、誰もオーバーテイクができない膠着状態になってしまうのだ。

 セーフティカーが入ってレースが再開したところから、フェルスタッペンのパワーユニットはストレートの後半で加速が鈍るような状態になった。いくつかのセッティング変更を試みたものの、問題は解決できず。ストレート後半で次々に抜かれ、最後はピットにマシンを戻してリタイアを余儀なくされた。

「レースが再開したあとはエンジンに問題があって(通常どおりに)加速しなかった。なんとか問題を解決しようとしたんだけど、リタイアするしかなかった」

 問題を抱えて解決できないパワーユニットに、フェルスタッペンはフラストレーションの言葉をぶつけた。だが、それは当然のことだ。その言葉を最も重く真正面から受け止めているのは、ホンダの技術者たちだろう。

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 予選9位のアレクサンダー・アルボンもスタート直後の不用意な接触でリアタイヤ前方のフロアにダメージを負い、クリスチャン・ホーナー代表によれば「フロアのダメージが大きく1周1秒ほど失っていた」という。フェルスタッペンと同じくDRSトレインの中から抜け出せず、接触に対する5秒ペナルティも科されて、入賞すらならなかった。

 同じパワーユニットを積むアルファタウリは、セーフティカーとピットエントリークローズ、ルイス・ハミルトンのペナルティという幸運に恵まれたとはいえ、金曜からレッドブルを上回る好走を見せていた。逃げ切って勝利しているだけに、レッドブルの車体が抱える問題点がより克明に浮き彫りになったと言える。

「モンツァというのはすごく特殊なサーキットだから、普通のサーキットに戻ればまた3位に戻れると思うけど......それだって十分な結果とは言えないからね」

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