2020.09.10

レッドブル・ホンダ、深刻な問題が露わ
「誰も抜くことができなかった」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

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 ピエール・ガスリーの劇的な優勝の裏で、レッドブル・ホンダはこれまでにない惨敗を喫した。

 マックス・フェルスタッペンがリタイア、アレクサンダー・アルボンがペナルティと車体ダメージで15位。ただその惨敗は、まったくの無得点に終わったというだけではない。レース週末全体の内容こそが、大きな落胆をもたらすものだった。

イタリアGPで惨敗を喫したレッドブル・ホンダ いつも「3位が指定席」と自嘲的に言っている予選でさえ、マクラーレンとレーシングポイントに飲み込まれて、5位に入るのが精一杯だった。超高速のパワーサーキットであるモンツァだけに、この結果だけを見ればパワー不足が原因だと思ってしまう。

 しかし、マシンパッケージとしてRB16が抱える問題は、それ以上に深刻だった。

「トップスピードを比較して、僕らがメルセデスAMGにパワーで負けていることは確かだ。でも、今の彼らとのタイム差を生み出しているのはそこじゃない。パワーの差によるタイム差はそこまで大きくない。これは僕ら側の問題だ」

 フェルスタッペンは予選後のブリーフィングを終えてそう語った。

 金曜フリー走行で突然リアが流れてスピンしてクラッシュを喫したように、モンツァでのRB16はとにかく挙動がナーバスだった。まさにシーズン序盤に苦しんでいたころのように。

 超高速サーキットゆえに、なるべくドラッグ(空気抵抗)は削りたい。しかしダウンフォースが減ると、ナーバスな挙動が顔を見せる。

「僕らはあらゆることを試した。ウイングレベルも、ものすごくローダウンフォースからミディアムロー、さらには少しだけロー。でも、どれをやってもラップタイムは同じになる。しかも、ダウンフォースを削ると好ましいマシンフィーリングにならないし、全体的にバランスが悪く、グリップ不足なんだ」

 マシンバランスが悪くてグリップ不足。だから、ダウンフォースをつける方向にセットアップをせざるを得なかった。