2020.08.27

トヨタとホンダをぶち抜いて日産GT-Rが勝利!
走りが見違えた要因とは

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

「当初のスケジュールだと、富士での開催は今年1回だったので、ダウンフォースを多めにするコンセプトでクルマを作っていました。その結果、富士のストレートスピードで厳しい状況になっていたのです。ただ、鈴鹿に来ればダウンフォースの多さが生きると思っていた。それが見事に当たりました」

 通常なら、富士スピードウェイは1年に2回開催。しかし、東京オリンピックの自転車競技の会場として同サーキットが使用されることになり、今年は1回のみのスケジュールが組まれていた。

 日産勢はコーナー重視のサーキットでの開催が増える傾向を読み取り、ダウンフォースを多めにするコンセプトを立ちあげた。これが、開幕2戦で裏目に出たようだ。クインタレッリはこう語る。

「シーズンの最初はいいセッティングを見つけられなくて、開幕戦の時はまだいろんなテストをしている状態でした。ただ、マシンを改善したことで徐々に速さが見えてきて、タイヤに関しても(種類の選択など)アプローチを少し変えた結果、それがいい方向に働いてくれました。今後に向けてもすごくいいデータが取れました」

 コースの相性やマシン、タイヤの改善はあったにせよ、ドライバーの実力が伴っていなければ勝利を手にすることはできない。今回のレースのターニングポイントを、23号車の鈴木豊監督はこのように語った。

「序盤に一度、ロニー(クインタレッリ)が38号車(ZENT GR Supra)に抜かれながらも、ヘアピンで抜き返してくれた。あれが、流れを大きく変えた瞬間だったと思います」

◆「レースクイーンも百花繚乱!GT300編」はこちら>>>

 クインタレッリは1周目からアグレッシブな走りを見せていたが、2周目のシケインで立川祐路が乗る38号車に先行を許してしまう。しかしその瞬間、クインタレッリの闘志に火がついた。

 前を走るトヨタ・スープラを執拗に攻め立て、38号車が13周目のヘアピンでGT300クラスの集団に捕まるやいなや、隙をついてアウト側から豪快にオーバーテイク。さらにその後もスピードを落とさず、GT300クラスの車両を掻き分けるようにして38号車を置き去りにしていった。