トヨタとホンダをぶち抜いて日産GT-Rが勝利!走りが見違えた要因とは (2ページ目)
「当初のスケジュールだと、富士での開催は今年1回だったので、ダウンフォースを多めにするコンセプトでクルマを作っていました。その結果、富士のストレートスピードで厳しい状況になっていたのです。ただ、鈴鹿に来ればダウンフォースの多さが生きると思っていた。それが見事に当たりました」
通常なら、富士スピードウェイは1年に2回開催。しかし、東京オリンピックの自転車競技の会場として同サーキットが使用されることになり、今年は1回のみのスケジュールが組まれていた。
日産勢はコーナー重視のサーキットでの開催が増える傾向を読み取り、ダウンフォースを多めにするコンセプトを立ちあげた。これが、開幕2戦で裏目に出たようだ。クインタレッリはこう語る。
「シーズンの最初はいいセッティングを見つけられなくて、開幕戦の時はまだいろんなテストをしている状態でした。ただ、マシンを改善したことで徐々に速さが見えてきて、タイヤに関しても(種類の選択など)アプローチを少し変えた結果、それがいい方向に働いてくれました。今後に向けてもすごくいいデータが取れました」
コースの相性やマシン、タイヤの改善はあったにせよ、ドライバーの実力が伴っていなければ勝利を手にすることはできない。今回のレースのターニングポイントを、23号車の鈴木豊監督はこのように語った。
「序盤に一度、ロニー(クインタレッリ)が38号車(ZENT GR Supra)に抜かれながらも、ヘアピンで抜き返してくれた。あれが、流れを大きく変えた瞬間だったと思います」
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クインタレッリは1周目からアグレッシブな走りを見せていたが、2周目のシケインで立川祐路が乗る38号車に先行を許してしまう。しかしその瞬間、クインタレッリの闘志に火がついた。
前を走るトヨタ・スープラを執拗に攻め立て、38号車が13周目のヘアピンでGT300クラスの集団に捕まるやいなや、隙をついてアウト側から豪快にオーバーテイク。さらにその後もスピードを落とさず、GT300クラスの車両を掻き分けるようにして38号車を置き去りにしていった。
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