シャイなアロンソは日本の心も持つ。純粋な輝きを、もう一度見たい (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

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 刀が折れても手で戦い、手を切り落とされようとも肩、口でも戦う。つまり、最後の最後まで絶対にあきらめないという姿勢が、道具や体制では劣るフェラーリで王者レッドブルと戦う彼の心を支えていた。

 日本との関係は、日本企業の大きなサポートを受けていたルノー時代からであり、小さなフィギュアを「トミタ」と名付けて世界各地へ連れて行って写真を撮る、なんていうこともしていた。

 日本に対するそんな親しみや尊敬の念が、両親の名前を漢字でプレゼントしたいという行動に表われていた。

 低迷期にあったフェラーリに加入し、マシンとチーム力以上の速さを引き出してタイトル争いまで持っていく彼の才能と努力は輝いていたし、ファンにとっても取材者である我々にとっても魅力的だった。その背景に、日本の心を持っていてくれたことも、またうれしかった。

 しかし、翌年以降のフェラーリは経営陣とチーム首脳が迷走して成績が低迷。アロンソ自身もそれを何とかしようと政治的な言動を取るようになると、2014年にはいよいよチーム内に居場所がなくなった。

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