今季F1もメルセデスはほぼ無敵。中団争いは史上最高に予測不能だ (3ページ目)

  • サム・コリンズ●取材・文 text by Sam Collins
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

ピンクのメルセデスと言われているレーシングポイントの新マシンピンクのメルセデスと言われているレーシングポイントの新マシン ただし、「リバースエンジニアリング」の手法でメルセデスのマシンをコピーできたとしても、シーズン中のマシン開発能力までは「コピー&ペースト」とはいかず、徐々にそのポジションを後退させることになるだろう。

 最悪のシナリオはシーズン途中で「ピンクのメルセデス」の合法性が問題となり、チームがこのマシンを使用できなくなることだが、その場合は昨年型のRP19を使わざるを得ないだけに、その影響は深刻なものになるはずだ。

 ちなみに、大混戦の中団グループでは、昨年から組織改革に着手し、今季、新設計のマシンを投入するマクラーレンに注目している。

 テストでのパフォーマンスも良く、新体制となった技術部門やチームが持つ充実した技術リソースを活かせば、シーズン中の開発能力も期待できる。今季は、長年苦しんできた名門チームが復活し、混戦のミッドフィールドを引っ張る存在となりそうな予感がある。※マクラーレンは開幕戦の開催地メルボルンでチームスタッフが新型コロナウイルス陽性であることが判明。オーストラリアGP参戦を取りやめた。その後、このレース自体が中止となった。

 そのマクラーレンに続くのはアルファタウリとハース。この2チームも、レーシングポイントほどの「コピー&ペースト」ではないのもの、アルファタウリはレッドブル、ハースはフェラーリからの技術支援を受けている。いずれも、開幕前のテストで課題を抱えていた印象があるが、今後の開発による「伸びしろ」は期待できそうだ。アルファタウリに関しては、前述したホンダ製パワーユニットの性能アップが好材料だ。

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