今季F1もメルセデスはほぼ無敵。中団争いは史上最高に予測不能だ (2ページ目)

  • サム・コリンズ●取材・文 text by Sam Collins
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 そして、トップ争いの後方に目を移すと、そこには今シーズン最大の「予測不能」が待っている。ただでさえ戦闘力が接近していた中団グループの戦いは、ここ数年で最も激しくなっており、大混戦必至と言っていいだろう。そこでまず注目したいのは、ルノーとレーシングポイントの2チームだ。

 このうち、ルノーは昨年のマシンをベースに大幅な改良を加えた「キープコンセプト」の戦略で2020年用のマシンを仕上げており、その「継続性」がシーズン序盤では有利に働く可能性がある。ただし、シーズン後半に向けた「進化の幅」には限界を抱える恐れがある。

 一方、メルセデスエンジンを搭載するレーシングポイントは、驚くべきことに「2019年最強のマシン」だったメルセデスW10をほぼ丸々コピーしたといってもいい「ピンクのメルセデス」RP20を開発。開幕前のテストでも、驚くほどの速さを見せており、その「コピー&ペースト」的なアプローチが物議をかもしている。

 少なくともシーズン序盤に関していえば、トップ3の後ろを脅かしかねないほどの速さがある。それが「コピーマシン」の是非や合法性に関する議論を加熱させる可能性もありそうだ。

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