佐藤琢磨、インディカー11年目の挑戦。マシン変更をチャンスにできるか

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano
  • 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 シリーズ王者を目指す佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング) シリーズ王者を目指す佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング) 2020年のアメリカのトップオープンホイールチャンピオンシップ、NTTインディカー・シリーズは全17戦(アメリカで16戦、カナダで1戦)で争われる。

 エンジンはE85エタノールを燃料とする排気量2.2リッターのDOHC・V6シングルターボのまま。ただ今年のインディカーにはドライバーの安全性を飛躍的に向上させるエアロスクリーンが装着される。

 これはF1で始まったドライバープロテクションに、強化ポリカーボネイト製ウインドウスクリーンを組み合わせたもの。超高速のオーバルレースで発生するクラッシュ時だけでなく、ロード/ストリートコースで発生したアクシデントで飛来する部品などからもドライバーを守る。路面やフェンスにコクピット側から激突するような場面では、エアロスクリーンが15トン超の衝撃に耐え得る堅牢さを発揮する。

 ドライバーのヘルメットが外から見えにくくなり、戦闘機のコクピットのようなルックスとなる新インディカーだが、エアロスクリーン装着で約30kgもの重量増となる。当然重心は高くなり、空力性能も変わるため、そうしたマシンの変化にどれだけ素早く対応できるかが勝敗のカギを握る。

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