レッドブル・ホンダが最終戦で証明。来季タイトルは近づきつつある (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)


 これまでにも新しいスペックを投入した際などには、エンジンマップの熟成不足でこうした不具合が生じることはあった。だが、十分に使い込んだスペック4で出たのは予想外だった。それもセッティングの問題ではなく、パワーユニットの制御ソフトウェアのトラブルであり、フェルスタッペン車だけでなくホンダ勢4台すべてに同じような症状が出ていたという。

「パワーユニットのコントロール系の問題だと見ています。ソフトウェアですね。よって(トラブルを)直すということではなくて、少しでもラグが出にくいセッティングを何種類か試して、そのなかでベストなもので走ってもらいました。

 大なり小なり、4台とも同じ症状。微妙にセッティングが違うなかで、わりと大きく影響を受けた人と受けなかった人がいました。そのへんの状況も、これから細かく見ていくことになります」(田辺テクニカルディレクター)

 2位という結果には影響を及ぼさず大事には至らなかったものの、こうしたトラブルは決してあってはならないことだと、田辺テクニカルディレクターはかなり厳しい言葉で自らを戒めるように言った。

「今日は前も後ろもギャップがあり、ポジションをキープするラップタイムで走るには問題なかったので、結果として害を与えることはありませんでしたけど、本来はそんなことあっちゃいけないわけです。時と場合によっては、とんでもないことになっていた可能性もあります。

 問題の大小にかかわらず害を与えているわけですから、トラブルが起きるということは許されません。チームには大変申し訳なかったと思っています」

 ただ、アブダビGPでフェラーリを上回り、予選で0.360秒差まで迫ることができたのは、ポジティブなことでもあった。

 もともとメルセデスAMGが2014年から圧勝し続けたヤス・マリーナ・サーキットは、レッドブルが苦手とするサーキットでもあった。高速コーナーが少なく、長いストレートと中低速コーナーを組み合わせたレイアウトでは、車体性能でカバーできる範囲が少ないからだ。

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