2019.10.11

F1上位2チームのドライバー比較。ハミルトンとベッテルの違いとは

  • 川原田剛●構成 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

■日本GP前の第16戦ロシアGPまでに11勝を挙げ、チャンピオンシップでライバルを圧倒するメルセデス。エースのハミルトンも今季9勝を挙げ、通算6度目のタイトル獲得に向けて邁進しているが、夏休み明けの第13戦のベルギーGP以降はフェラーリ3勝、メルセデス1勝と、フェラーリが巻き返しを図っている。現在の両チームの力関係はどうなっているのか? DAZNのF1解説を担当している元F1ドライバーの中野信治氏に話を聞いた。

ドライバーズランキングで首位を快走するハミルトン メルセデスの強さの要因は、マシンとPUの開発力や戦略などを含めたチーム力が大きいですが、特筆すべき点はやっぱりハミルトンのドライバーとして能力だと思います。彼がもともと持っているドライビング能力に加え、ここ数年でメンタル的にも大きく成長し、リーダーとしてチャンピオンチームを引っ張っています。

 王者メルセデスといえども、レースによっていい時と悪い時がありますが、ハミルトンは悪い時でもしっかりと踏みとどまり、結果を出しています。そこが彼のすごさです。

 かつてニコ・ロズベルグと争っていた時のハミルトンは、状況が悪くなるとミスをしたり、結果を出せなかったりしていましたが、今はメンタルコントロールがしっかりとできているので、ギリギリのところで持ちこたえられるようになっています。

 そうなると取りこぼしが少なくなってきますよね。その結果、メルセデスのチーム全体の空気が変わり、チャンピオンシップの流れをうまく自分たちのほうに引き寄せています。それが今シーズンの好結果につながっていると感じています。

 ここ3年ぐらいのハミルトンの成長は著しいですね。ロズベルグと戦っていた時に比べて、総合力としてはかなり高くなっています。ハミルトンがやっているのは、論理的には当たり前のことです。物事の流れを引き寄せるために、周りのスタッフに対する言動でチーム内に味方を増やし、ファンを大事にしてチームの外にも味方を増やしています。