レッドブル・ホンダ、再度スペック4投入。5グリッド降格なら挽回できる (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 シンガポールで絶不調に陥り、勝利のチャンスを逃しただけに、レッドブル・ホンダがここでペナルティを取って残りの5戦に賭けるのは当然のことでもある。また、ロシアGPの次には日本GPが控えているということもある。

 ひとつでも多く勝つために、現状でできる限りの手を尽くす。それが今回のスペック4投入の意味だ。

 そして、もうひとつ期待が寄せられるのが、エクソンモービルの燃料開発である。

 かねてから夏休み明けにも投入が計画されていた新型燃料とオイルだが、日本GPにようやく投入される見込みとなった。今年、本格的にホンダ製パワーユニット向けの燃料開発に着手したエクソンモービルだが、その開発に手間取り、ホンダ側の知見も投入してようやく完成に漕ぎ着けたようだ。

 アンチノック剤を使用したアグレッシブな点火時期セッティングでパワーを絞り出す予選スペシャルモードには、こうした特殊な燃料やオイルが必要不可欠。その効果に期待が寄せられる。しかし、一部で言われていたような20馬力や30馬力といったような大幅なパワーアップではなく、その効果はかなり限定されたものになっているようだ。

 本来ならば、4基の新品ICEを投入するロシアGPに合わせて投入し、ここで確個体の特性に合わせたエンジンマッピングを煮詰めておきたかった。だが、間に合わずに日本GPのぶっつけ本番投入となり、鈴鹿であらためてマッピングの熟成を行なわなければならない。

 いずれにしても、ホンダ勢4台はこのロシアGPで最小限のロスを受け容れ、その代わりに残り5戦のフルアタックを手に入れる。そこで勝つための代償をどれだけ小さくできるか、そして次の日本GPにつなげられるか、それが今週末の勝負のポイントだ。

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