2019.09.10

レッドブル・ホンダに光明。
フェルスタッペン「もうすぐ僕らが勝ち始める」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

レッドブルのマシンにも徐々に順応してきたアルボン ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは、スペック4パワーユニットは「想定どおりに問題なく機能した」と言う。クビアトのマシンはオイル漏れでリタイアしたが、エンジン本体の油圧は正常だったので、それ以外の箇所からのリークが疑われる。燃焼も出力も異常はなく、エンジン本体のダメージもなさそうだ。

 予選と決勝でフェルスタッペンが経験したパワーロスは、立ち上がりで縁石を踏んでタイヤが空転し、リミッターが当たりながらもフルスロットルで踏み続けたため、FIAの監視システムがトラクションコントロールだと判断して自動的にパワーを落とさせたもの。こちらもパワーユニット本体のトラブルではなかった。

 ポテンシャルについても、前述のようにトロロッソ勢も含めて予選でスペック4のフルポテンシャルを引き出しきる場面に恵まれなかったため、モンツァの結果だけで対他競争力を正確に把握するのは難しい。

 しかし、開発責任者である浅木泰昭ラージプロジェクトリーダーは、スペック4の伸びしろについて、メルセデスAMGのパワーユニットに「かなり近づいている、という手応えを掴んでいる」と言う。

「昨年のスペック3で見つけた燃焼コンセプトを今年のスペック3まで進化させてきましたが、このスペック4もその延長線上にあります。(今後の開発として)まだ伸びしろはあるし、終わりではありません。今年中にメルセデスAMGに並ぶことを目標としてやってきました。今回の予選ではまだハッキリしたことはわかりませんでしたが、このスペック4でその可能性はゼロではないと思っています」

 21戦で最も全開率が高く、フェラーリやメルセデスAMGにパワーで後れを取るレッドブル・ホンダにとって一番厳しいはずのモンツァ。そこでここまでの競争力を発揮できたことは、残りの7戦に向けて期待も高まる。

 スパとモンツァでレースらしいレースができなかったフェルスタッペンはフラストレーションを募らせたが、一方でかなり大きな手応えも掴んだようだ。

「コンペティティブではないこのサーキットでそこまで走れたのは、かなり有望だと思うよ。フェラーリのみなさんは、今のうちに楽しんでくれているといいね。もうすぐ僕らが勝ち始めるから」

 レッドブルが得意とする次戦シンガポールGP、そしてロシアGPを挟んで、いよいよやってくる日本GPがその言葉どおりのレースになるのか、楽しみだ。

関連記事