2019.08.07

ホンダ勢トップドライバーは残留。
来季インディの勢力図はどうなる?

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano
  • 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 インディカー・シリーズ第13戦が行なわれたミッドオハイオで、ふたつの大きな発表があった。

 ひとつ目は、今やインディカー・シリーズのトップドライバーのひとりであるアレクサンダー・ロッシ(28歳)が、アンドレッティ・オートスポートと2020年からの複数年契約を結んだというもの。もうひとつは、そのアンドレッティ・オートスポートがホンダとの契約を継続し、2020年以降もホンダユーザーとして戦うというものだ。

アンドレッティ・オートスポーツ残留を発表したアレクサンダー・ロッシ ロッシにはチーム・ペンスキー入りの噂があった。インディ500で17勝(去年と今年の2連勝含む)、インディカー・シリーズのタイトル獲得15回、インディカーで通算200勝以上を誇る史上最強チームのペンスキーは、獲得の意思がなければ交渉は行なわない。デビュー年にインディ500で優勝し、この3年半ですでに7勝を挙げているロッシは、昨年に続いてシリーズチャンピオン争いをしている。チームを率いて50年の”キャプテン”ロジャー・ペンスキーのお眼鏡に適う実力を備えるに至ったということだ。

 ロッシがペンスキー入りすれば、それはイコール、ロッシがホンダドライバーからシボレードライバーに変わることを意味する。2012年にシボレーがインディカーへ復帰を果たした時の影の功労者がロジャー・ペンスキーだ。彼らがホンダエンジンユーザーに変わることは、シボレーが出場を続けている限り考えられない。

 今シーズンのミッドオハイオ前までの12戦を振り返ると、ホンダエンジン使用で優勝しているのがコルトン・ハータ、佐藤琢磨、ロッシ(2勝)、スコット・ディクソンの4人。対するシボレーユーザーはジョセフ・ニューガーデンが4勝し、シモン・パジェノーが3勝を挙げている。ニューガーデンとパジェノーはどちらもペンスキードライバー。この状況でロッシがペンスキー=シボレーに移れば、今でも強いチームがさらに突出し、マニュファクチャラー間のユーザー層の均衡も保たれなくなる。

 だが、マシンもドライバーもベストを徹底的に追求するのがペンスキー流。”狙った獲物は確実に仕留める”“ほしいものは何でも手に入れる”という彼らのこれまでのスタイルからして、ロッシのペンスキー入りは避けられないと考えられていた。