レッドブル・ホンダ2連勝の可能性。イギリスGPも暑くなってほしい

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 今週末のF1第10戦・イギリスGPに向けた最大の注目は、もちろん前戦オーストリアGPで初優勝を遂げたレッドブル・ホンダが2連勝を飾れるのか、ということだろう。

 結論から言えば、その可能性は極めて低い。しかし、オーストリアGPでも「表彰台すら難しい」というレッドブル自身の事前予想は完全に覆され、表彰台どころかその頂点に立ったのだ。

 では、何が起きればレッドブル・ホンダが再び、頂点に立つことができるのだろうか?

イギリスGPで笑顔を見せるフェルスタッペンイギリスGPで笑顔を見せるフェルスタッペン まずひとつ言えるのは、前戦投入したフロントウイングをはじめとした空力アップグレードがきちんと機能し、潤沢なダウンフォースを発揮してくれること。シルバーストンは言わずと知れた高速サーキットで、鈴鹿と並んでドライバーたちが賞賛する、高速コーナーの連続が待ち構えるサーキットだ。空力性能が優れていなければ、速く走ることはできない。

 それと同時に、全開率が70%近く、ストレートスピードも問われる。つまり、パワーもさることながら、ドラッグ(空気抵抗)の小ささも問われる。

 最高速とダウンフォースという、ある意味で相反するこれらふたつの要素を同時に成り立たせるためには、なるべく小さな空気抵抗でなるべく最高速を高めるという、効率のいい空力パッケージが必要だ。

 レッドブルは、前々戦フランスに投入した新型のスリット入りリア翼端板ではなく、ウイング自体が小さいレスドラッグ型を装着してきた。それだけ、ドラッグは避けたいからだ。

 新型フロントウイングを使うのか否か、使うとすればレスドラッグ型のリアウイングとの相性はどうか。こうしたトータルパッケージとしての空力性能が問われることになる。

 前戦オーストリアGPで復帰後初優勝を遂げたホンダは、開発拠点HRD Sakura(栃木県)でも前線基地HRD MK(ミルトンキーンズ)でも祝勝ムードに包まれた。ミルトンキーンズでは、街中にあるブルーワー(ビール醸造会社)を貸し切って祝勝会を開いたという。

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