F1にホンダジェットの技術を投入。レッドブルは2強に追いつけるか (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 ポール・リカールは長いストレートを中高速コーナーや低速コーナーでつないだ、バラエティ豊かなレイアウトだ。カナダほどではないにせよ、レッドブル・ホンダ向きのサーキットとは言えない。そこで、どれだけトータルパッケージとしての性能を上げることができるか。

「アップグレードが入るのはいいことだけど、これによって突然トップに立てるなんてことは考えていない。でも、どんな小さなステップでも手にすることができるなら、僕らは手にしたい。カナダGPは最高の形とは言えなかったけど、それでも楽に5位は獲れるポジションだった。だけど、僕らが求めているのはもっと上だ」

 フェルスタッペンは今週末、いきなりトップに立つことは期待していない。それは、彼らが本当にトップを目指しているからこそ、そこに至るまでの現実的な道筋を描いているからだ。どうやらレッドブルはシーズン後半戦に向けて、車体性能を向上させてトップに追いつく目処を立てつつあるようだ。

 ここから7週間で5戦を戦い、夏休みまではあっと言う間に過ぎ去っていく。その幕開けとなるフランスGPに満を持して投入した車体とパワーユニット両面のアップデートで、レッドブル・ホンダRB15がどこまで進化できるのか。それは、シーズン後半戦の行方すらも握る重要なカギとなりそうだ。

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