MotoGP日本人ライダー6名の思いと来季への決意。「人生を賭ける」 (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

「最後のレースでポイントを獲れてよかったと思うものの、ポイント獲得だけでは満足できないので、これは自分がステップを一段階上がった証なのだと捉えています」

 来シーズンの長島はこのチームを離れ、昨年在籍したSAG TEAMへ復帰する。

「今シーズンは序盤に苦しんだけど、後半によくなってきたのは、チーム監督の青山博一さんの指導とトレーニングの成果だと思います。それを学べたのは自分にとって大きな財産なので、来年はさらに進化して、再びこのチームに戻ってこられるようにがんばります」

 2019年シーズンのMoto2は、ワンメークエンジンが従来のホンダ600ccからトライアンフ765ccへ変更になり、電子制御システムも大きく様変わりする。ある意味では全チームが横一線で再スタートする状況になるため、その条件をうまく活かせるかどうかも、長島たちMoto2クラスの戦況を大きく左右することになるだろう。

 最小排気量のMoto3では、クラス4年目の鈴木竜生(すずき・たつき/SIC58 Squadra Corse)が年間総合14位で終えた。ホンダ陣営で2年目のシーズンとなった鈴木は、何度も上位グループで争い、第7戦・カタルーニャGPでは5位、第17戦・オーストラリアGPでは0.021秒差で表彰台を惜しくも逃す4位。

「シーズン終盤に向けて右肩上がりの成績になってきたのはいいんですけど、開幕戦から常にトップを争うリズムを掴めていれば、もっと楽にシーズンを過ごせていたのかなと思います。序盤数戦に失ったものが大きかったので、そこが来年の課題ですね」

 世界選手権2年目の佐々木歩夢(ささき・あゆむ/Petronas Sprinta Racing)も、シーズン後半はトップグループを争い、「クレージーボーイ」の愛称を一気に知らしめたが、たびたび負傷を抱え、つらい状態で戦うことも少なくなかった。最終戦を終えた年間ランキングは20位。

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