MotoGP日本人ライダー6名の思いと
来季への決意。「人生を賭ける」 (3ページ目)
「今年は1年目よりも自分の目標が高かったけれども、その目標には届かず苦しいシーズンでした。ドライコンディションでは中盤戦以降、安定して速くなってきたし、最終戦では不得意だったウェットで3日間走れて、苦手意識を克服するいいトレーニングにもなりました。来年は開幕戦から表彰台、もしくは優勝を狙えるように、冬の間にしっかりトレーニングを重ね、チャンピオン獲得を目指します」
佐々木と同じく2年目のシーズンになった鳥羽海渡(とば・かいと/Honda Team Asia)は、開幕戦で7位、第7戦・カタルーニャGPでは6位に入賞したが、慎重な性格もあってレース序盤のペースアップという課題を残し、年間総合22位で終えた。
「2年目に結果を全然残せなかったので、来年こそはいい成績にしないとその先がない、というつもりで臨みます。リザルトはともかく、この1年で自分としてはかなり成長ができたので、来年こそ好結果を残せるように、これから日本に帰ってトレーニングします」
佐々木や鳥羽とは同期だが、彼らよりも1年遅れの今年にフル参戦を果たした真崎一輝(まさき・かずき/RBA BOE Skull Rider)は、シーズン後半の第15戦・タイGPでフロントローを獲得して高い資質の片鱗を見せたものの、全18レースを戦い終えた年間総合順位は31位。全体としては世界選手権の洗礼を受ける格好の1年となった。
「シーズン前半はマシンセッティングに苦労して、終盤のアジアラウンドに入るくらいから徐々によくなって、結果もある程度ついてきましたが、全体的にはとても厳しいシーズンでした。100点満点で30点程度の全然ダメな1年で、合格点はとても考えられません。しっかりと練習をしなおして、来年再び挑んでいきたいです」
2019年シーズンのMoto3クラスは小椋藍(おぐら・あい)がHonda Team Asiaから新たに参戦し、日本人選手は計5名となる。互いにいい刺激を与えあって切磋琢磨する環境を作れるかどうかが、来シーズンの彼らの成績を左右するだろう。だが、それは同時に、彼ら同士が生き残りを賭けて戦っていかなければならない、ということも意味している。
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