ディクソンが王者でインディは幕。佐藤琢磨は現チームで来季に挑む (5ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

「1周目のアクシデントだけど、起こってしまったことは仕方がない。あれがなかったとしても、タイトル争いでディクソンを逆転するのはとても難しかったと思う。最下位に落ちても僕らのチームは諦めず、大きなリカバリーを実現した。ランキング2位は悔しいが、僕らのチームは来シーズンに向けて大きなものを築き上げたと確信している」と、ロッシは来季の王座獲得に意欲を見せた。

 前戦のポートランドで優勝したばかりの佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、ポートランドの直後に事前テストを行なったが、予選は12位。予選でのレッドタイヤ装着時のセッティングで、チーム・ペンスキー、アンドレッティ、ガナッシに並ぶことができなかった。

 しかし、レースに向けたセッティングは良好で、1周目には3つのポジションアップを達成、さらに1台をパスし、1回目のピットストップを終えた時点で7位にまで順位を上げていた。さらに上位への進出が可能かと思えたが、ピットアウトしたラップにエンジントラブルでリタイア。ダブルポイントの最終戦は最下位という残念な結果に終わった。

 それでも、チームを移籍したシーズンに1勝をマーク。チームとの再契約をレース前に発表した琢磨には、2019年のさらなる活躍が期待できる。

「スタートはよく、コース上でさらにポジションを上げることもできた。オーバーテイクができたぐらいだからマシンはよかったと思うし、あの時点でピットに入るという作戦もよかった。それだけにトラブルによるリタイアは本当に残念。2019年に向けては手応えも掴んでいるし、チームはさらにエンジニアリングを強化する計画なので、大きな期待を持っている。オフの間にマシンをさらに速くして開幕戦を迎えるつもりだ」

 シーズンを終えた琢磨はこう話した。来年は複数回優勝と、チャンピオン争いを繰り広げる姿が見られるものと期待したい。


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