ハッキネンvs.シューマッハ。鈴鹿で火花、もうひとつのライバル対決 (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 レース前と同様に握手を交わしたふたりに、観衆からは惜しみない歓声と拍手が贈られた。

 このシーズンを皮切りに、ふたりは多くの名バトルを何度も演じることとなる。とくに鈴鹿では、シーズンの集大成ともいえる激戦が繰り広げられた。

 1999年の予選では、一時ふたりとも0.001秒単位まで同じというタイムを叩き出し、決勝でも53周にわたって接近戦を展開。最後は後方からプッシュするシューマッハを押さえ込み、ハッキネンが2年連続でワールドチャンピオンを獲得した。

 続く2000年も、予選から0.001秒を削り合う僅差の戦いとなり、決勝では先行するハッキネンをシューマッハが終盤のピットストップで逆転。今度はシューマッハがハッキネンから逃げ切り、フェラーリに21年ぶりとなるドライバーズタイトルをもたらした。

 鈴鹿でのF1日本GPといえば「セナ・プロ対決」が有名だが、ハッキネンとシューマッハの対決も決して劣らない。今でもバトルの数々は、多くのファンに語り継がれている。

 ハッキネンは2001年シーズンでF1を引退。現在は現役時代に所属したマクラーレンのアンバサダーを務めている。

 鈴鹿サーキットには昨年3月、モータースポーツファン感謝デーで来場し、多くのファンから熱烈な歓迎を受けた。そのときはトークショーのみの出演だったが、今回の日本GPではデモンストレーションランも行なう。マシンは1998年に初めてワールドチャンピオンを獲得したマシン、マクラーレン・メルセデスMP4/13だ。

 銀色と黒を基調としたカラーリングのMP4/13は、当時から大人気のマシンだった。この車両が日本でデモランを行なうのは初めてのこと。ファン必見の走行となるのは間違いないだろう。

(つづく)

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