6位なのにガスリーはショック。トロロッソに課せられた夏休みの宿題 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 こうして何戦も苦しみ続けてきたマシンの仕上がりという点で光明が見えたトロロッソ・ホンダだが、エンジニアたちは問題点を本当に解決することができたのだろうか?

 そう尋ねると、ガスリーは慎重な見方を示した。

「スパ(第13戦)でどうなるか、見てみないとね。まだいくつかはっきりと理解できていないところがあるんだ。今週のように予想以上のパフォーマンスを発揮したり、予想を大きく下回ってしまったりというのが、それだ」

 バーレーンGPやハンガリーGPのように、予想を上回る速さはうれしいものではあるが、その理由がはっきりと究明できていないのであれば、喜んでばかりもいられない。「予想が外れた」という意味では、事象を自分たちでコントロールできていないのと同じだからだ。逆方向に予想が外れれば、ここ数戦のようにアンコントローラブルな不振が続いてしまう。

 それこそが、シーズン前半戦におけるトロロッソ・ホンダのアップダウンが大きかった理由だ。

 今回はたまたまいいほうに外れたからよかったが、悪いほうに外れたら......。そう考えれば、ガスリーが「ショックを受けた」と語る理由もわかるだろう。

 逆に言えば、STR13は予想を上回る速さを常に発揮する力も秘めている可能性がある。田辺テクニカルディレクターは言う。

「『いいクルマだったね。じゃあそれを毎戦、手に入れるためにはどうしたらいいの?』というのを、これから考えないといけません。バーレーンGPのときもレース週末を通してよかったし、今回もよかったのですが、次のスパやモンツァでも同じようにいくかというと、これからデータを紐解いて答えを見つけていかなければならない。そう簡単なことではないと思っています」

 トロロッソ・ホンダのシーズン前半戦はこうして終わった。後半戦にショックを受けるようなアップダウンを減らし、一歩前へと進むために、チームはこの夏休みの宿題に取り組まなければならない。

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