トロロッソ・ホンダ、新空力パッケージが機能せずハートレイがっくり (4ページ目)
結果的にハートレイはウルトラソフトのアタックを見せる前に、リアサスペンションのトラブルでリタイアを余儀なくされた。だが、トラブルに見舞われていなければ、計算上はポイント圏内まで挽回することができたはずだという。もしくは、ペースのよかったハートレイもVSC時にピットインさせていれば、リスクを冒すことなくザウバー勢の前後でポイントを獲れていたはずだ。
「いずれにしても、今日はポイント獲得が可能な速さがあったとチームも認めてくれているよ。だからこそ、とてもガッカリしている。レース序盤は、ザウバーはとても速かった。でもレースが進むにつれて、どんどん僕のほうが速くなっていったんだ。昨日の予選ではマシンバランスがまったく満足できる状態じゃなかったけど、今日はエアロバランスを大きくリア寄りに変更したことで、レース後半は特に気持ちよく走れる状態になっていたんだ」
戦略面で何を優先すべきか、それを読み誤った結果がノーポイントというリザルトだった。
加えて、新空力パッケージをうまく機能させられなかったことにも不安が残る。
新スペックのガスリーはダメージを負っており、決勝のデータは参考にならない。旧スペックのハートレイ車のデータも使えない。金曜のハートレイ車と土曜のガスリー車のデータのみで、改めて分析を進めて新パッケージを使いこなすための方策を見つけ出さなければならないのだ。おそらくは、イギリスGP金曜日のフリー走行までその作業は続くことになるだろう。
そこまでいって初めて、新空力パッケージの是非が判断できる。勝負はそれからだ。
「パワーユニット側のスペック1と2の性能差は明らかに見えていますから、それはいいと思います。今回はトロロッソの新空力パーツも加わりましたが、まだまだ結果を明確に出せるレベルのものにはなっていません。さらに理解を深めなければ使いこなせませんが、使いこなせたときにどこまでいけるかどうかというのは、また次の問題だと思います」(田辺豊治テクニカルディレクター)
オーストリアGPのトロロッソ・ホンダは、スタートラインにすら立っていなかった。次戦イギリスGPまでの4日間で、早急な改善と再出発が必要だ。
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