伝統のダッチTTで今季最高のバトル。勝者マルケスはやはり一枚上手 (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 23周目に集団を引き離し始めたマルケスは、24周目に1.070秒、25周目には1.810秒と、着実に差を広げて26周の戦いを逃げ切った。今季4勝目で25ポイントを加算して、ランキング2位のロッシには41点差をつけ、3番手のビニャーレスはそこからさらに6点背後にいる。

 現状ではシーズン全19戦の半分以上を残しているので、40点や50点の差は十分に挽回可能だ。だが、8戦中4戦に勝利して年間総合首位の座を守っているマルケスと、ランキング2位と3位につけているものの、優勝にはまだ手が届かないままでいるロッシとビニャーレスの距離は、実際の数字以上に大きなギャップがある。それは、ごくわずかのタイム差とはいえ、レース終盤で満を持して着実に差を開いていった今回の2秒差と同様の、深く重い溝である。

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