2018.06.13

ガスリーも上機嫌。ホンダ新型PUは
ノーポイントでも競争力アップ

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 カナダGPのレースを終え、コクピットから降りてきたピエール・ガスリーは明らかに上機嫌だった。

「みんなのハードワークにはとても感謝している。PU(パワーユニット)のアップグレードはすばらしかった。これから僕らはとてもいいレースができるはずだ」

カナダGPではノーポイントに終わったトロロッソだったが...... 結果だけを見れば11位とリタイア、ノーポイントのレースだった。しかし、トロロッソ・ホンダとしては得るものの多いレースだった。

 満を持して投入したパワーユニットは、燃焼コンセプトを変えパワーアップを果たしたが、実質的には20kWの出力アップはできなかったようだ。しかしそれでも、今の僅差の中団争いのなかでは確実に”効いた”。

 土曜日のフリー走行3回目でガスリー車のMGU-H(※)が壊れ、急遽モナコGPまで使用していた古いパワーユニットに交換することになったが、それによって図らずも同じサーキット、同じ空力パッケージで正確な新旧比較ができることになった。

※MGU-H=Motor Generator Unit-Heatの略。排気ガスから熱エネルギーを回生する装置。

 予選までの2時間という限られた時間で交換作業を行なわなければならず、詳しい原因を究明している時間がなかったことや、ひとまずペナルティを回避することを前提に旧型に交換したのだ。

 しかし、その差を体感したガスリーは、予選後に新型に再交換して決勝を戦うことを切望した。

「ミーティングでフランツ(・トスト)、ジョナサン(・エドルズ)、田辺さんに強力に頼み込んだよ! 絶対、新しいほうがいいってね。旧型じゃ厳しいレースになるし、ここでペナルティを消化して新型で走ったほうがポイント圏に近づくチャンスはあるって言ったんだ」

 ガスリーにとってはこのままでは次戦での(パワーユニット交換による)ペナルティは避けられない状況で、それが地元のフランスGPだということも勘案して、チームとホンダは予選後にふたたび新品の新型パワーユニットに交換することを決めた。これが正解だった。