2018.06.05

ロレンソ、遅すぎたドゥカティ初優勝。
「来年、僕は別のバイクに…」

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 さらにさかのぼれば、2月にタイのブリラムサーキットで行なったプレシーズンテストの際にも、ロレンソはすでに同様の不満を訴えている。彼のこの話を受けて、ドゥカティは今回のレースウィークに形状違いの燃料タンクを投入。それが効果を発揮し、ロレンソはようやく思いどおりのライディングができるようになって今回の勝利につながった、というわけだ。

「ドゥカティでの初勝利、しかもムジェロでの優勝だから、本当に夢のようだ。1年半ものあいだずっと勝てず、どれだけ努力をしても結果がついてこなかったのだから、今日の優勝は本当に格別の気分だ」

 その優勝から遠ざかっていた期間に、ロレンソは多くの批判にも晒(さら)されてきた。それだけに、なおのことうれしい勝利だったことだろう。

「僕の訴えを信じてくれる人はあまりいなかった。『成績を残せない言い訳をしている』『ドゥカティでは勝てない』と言われ続けてきた。でも僕は、自分が失敗をしたときにはちゃんとそれを認めるし、今回は自分の訴えが間違っていなかったことを示すことができたので、本当によかった」

 9年間のヤマハファクトリー時代を経て2017年にドゥカティへ移籍してきたロレンソは、今年末で同社との2年間のファクトリー契約が満了を迎える。

「今日の優勝はとても誇らしいし、うれしく思う反面、この(バイクの)モディファイがもう少し早く間に合っていればドゥカティ残留につながっていたかもしれない、と思うと寂しい気持ちもある。部品の到着が、少し遅きに失した。来年からの2年間は、僕は別のバイクに乗ることになると思う」

 ロレンソの高額な報酬に難色を示していたドゥカティは、来季以降の契約更改をしないものと見られている。ロレンソの来シーズンのシートはここ1ヵ月ほどの間にいくつかの可能性が流動的に変化してきたようだが、現状では、ヤマハのサテライト陣営へ新しく加わるチームに移籍するとの見方が濃厚だ。

◆佐藤琢磨もハマって追突ドカン。今年のインディ500は乱気流地獄に>>>

◆トロロッソは戦略で結果を出した。次はホンダが「パワー」を見せろ!>>>

関連記事