佐藤琢磨もハマって追突ドカン。今年のインディ500は乱気流地獄に (6ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

「信じられない。アラバマでの第4戦でクラッシュした後、何でもポジティブに考えるよう自らの姿勢を変えた。そうして迎えた5月は素晴らしいものになった。オーナーのロジャー・ペンスキーに感謝する。スポンサーと両親にも。彼らが私をこの場所、インディのビクトリーレーンに到達させてくれた。言葉がない。この場に倒れそうだ。泣きたいぐらいだ」と、パワーは一気に語った。

 普段は勝ってもジャンプを一度するぐらいで、喜びの感情をほとんど見せないパワーだが、インディ500ではビクトリーレーンで体を震わせて何度も雄叫びを上げた。心の底からほしがっていた栄冠を、彼はついに手に入れた。これでパワーというドライバーはより一層、強くなるかもしれない。

 次なる目標は、インディ500で優勝した年にシリーズタイトルも獲得するシーズン完全制覇だ。まだシーズンは11戦を残しているが、インディカーグランプリからの2連勝でポイントリーダーに躍り出たパワーには、それを実現する可能性が十分にある。

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